「Astronomy Domine」 Pink Floyd



今では頭がハゲ上がったり、デブッたりと年相応に劣化しているフロイドのメンバーもこの頃は若かった。67年というと、ちょうどフロイドがこの『Astronomy Domine (天の支配)』を含む第一弾のアルバム『The Piper At The Gates Of Dawn (夜明けの口笛吹き)』を発売したばかりだったのだから。

デビューシングルの『Arnold Layne』(’67)では女性の下着を盗む癖のある変質者アーノルド・レーンのことを歌にしたため、それが一部のラジオ局等から「道徳的に問題だ」としてラジオロンドンその他で放送禁止処分にされたらしい。BBCでは特に問題視されてはいないけれど。
『Arnold Layne』は彼が女性の下着を盗むんだけど、「そういう人はいないんだよ、そういうことはもうやっちゃいけないよ、わかってる?」と諭すのが趣旨の歌詞だから問題視する方がおかしい。実際、そういう”癖”のある人間は多いし。
この曲は全英ヒットチャートの20位にとどまった。

で、第二弾のシングル『See Emily Play』ではそのあたりを”反省”したのかもっと明るい感じで当たり障りのない歌にして、そのためか全英9位に入った。

この頃のピンク・フロイドの音楽は67年当時大流行したサイケデリック音楽。サイケデリックとは音楽や美術その他で麻薬や覚せい剤をやった時の幻覚症状を再現したり、麻薬や覚せい剤をやってるときの”効果”を最大限に引き出すというような音楽で、ピンク・フロイドはそういったメロディーに哲学的な思想を歌詞にして曲に載せていた。

ところがこの2枚のシングルを出した後、作詞作曲、リードギター、リードボーカルを担当していたまさにグループの中心人物シド・バレットが薬物により精神に異常をきたし、音楽活動が困難となる。

そのためにバンドのリーダー役はベースのロジャー・ウォータースに移り、ギターにデイブ・ギルモアが新たに加入した。

ちなみにこのデイブ・ギルモアは以前からフロイドのメンバーとは顔見知りで別のバンドで活動していた。またパリでモデルもやっていたというイケメンで、ロックミュージシャンとしては異色の経歴の持ち主だ。

この『Astronomy Domine』のライブ映像、シド・バレットが両手を広げるとその背後に大きなシドの影が映る。そのなんとも幻想的なコト。ステージやメンバーの体に映るまだら模様のライトは当時流行った”ゼラチンライト”というもので・・・この映像はあまりきれいではないからわかりづらいのだが、こちらもまた幻想的な雰囲気を盛り上げるのに大いに役立つ。噴火口のマグマのように湧き出したり収まったり、そして湧き出すたびに別の色が出てきたりする。

あの当時の若者たちは、どうも薬物が本当に人間の意識に”革命”を起こすんじゃないかと思っていたらしい。当時のサイケデリックムーブメントはそれほどまでに大げさだった。

それが幻だったと気付いたときには大勢のロックミュージシャンが薬物の被害者となっていた。ローリング・ストーンズのブライアン・ジョーンズやジャニス・ジョプリン、ジミ・ヘンドリクスやドアーズのジム・モリスンなど、数えればキリがない。

シド・バレット・・・その後、2枚のアルバムを発売したりしたがかつての輝きを取り戻す前に一線から退いた。その後は母親と二人でひっそりと暮らし、2006年7月7日に亡くなった。

フロイドオリジナルメンバーのリック・ライト(キーボード)とデイブ・ギルモア、そしてデビッド・ボウイという組み合わせで2006年、彼の死を追悼した曲目『Arnold Layne』をYouTubeで見ることができる。
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シド・バレット・・・サイケ時代に咲いたあだ花、文学青年、天才メロディメーカー。もっともっと彼の才能を見せてほしかったと心から思う。

彼の冥福を祈らずにはいられない。

フロイドのデビューアルバムである『The Piper At The Gates Of Dawn』は全英6位にまでランクを上げた。そして、シングルを出さなくなってから1970年の『Atom Heart Mother』は初めて全英1位を獲得。しかしそれまでのフロイドは世界的に見ると英国のマイナーバンドだった。

だが’73年の『The Dark Side Of The Moon』は全米でもヒットチャートの1位を記録、以後30年にわたりチャートインするというギネス記録を打ち立てた。

そして79年にはニューウェイブ・ロック(パンクス)が隆盛する中オールド・ロックと呼ばれバカにされていたピンク・フロイドが『ザ・ウォール』で全英・全米1位となり世間を驚かせた。2枚組のアルバムであるのに(当然それだけ高価で5,000円以上した)ビルボードの集計によると15週連続でチャート1位を記録し、アメリカだけで2,300万枚(全米歴代3位)という途方もないセールスを記録した。

その後、メンバーの離反と接近を繰り返し、なんと、今でもアルバムを出すたびにビッグセールスを記録している。

プログレッシブ・ロックが隆盛したのは’70年代前半のこと。しかしキング・クリムゾンやイエス、ELPやジェネシスなど70年代の前半には光り輝いていた人たちが今は見る影もない中、フロイドのこの人気ぶりは異常だ。

オレは一度だけ、ライブを見に行ったことがある。腎臓の生体移植後、再び拒絶反応が起こり入院しているときだった。先生にもう前売りを買っちゃったから、このバンドはもう二度と日本には来ないから…とお願いしたら、特別に行かせてくれた。オレの目の前で演奏してるのが本当にデイブ・ギルモア、リック・ライト、ニック・メイスンなんだなぁと思うと本当に感激した。

楽器とコーラス隊がフルで音を鳴らすと体にビンビン響いてきて、驚いた。他のバンドとはライブ装置が違いすぎるのだ。今でもその時のことを思い出すと感動してしまう。ちなみに彼らはそれ以降、来日していない。


おまけ:『See Emily Play』







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